LOQUAI TITLE  

LOQUAI HOLZKUNST/ロークワイ社
ドイツ


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 ・ロークワイ社について  

 ・ロークワイ社の歴史  

 ・ロークワイのミニチュア玩具について

 ・2代目アンドレアス・ロークワイ氏のこと  

 ・ロークワイ社からのメッセージ  

 ・ロークワイ社の製品 




ロークワイ社について

ロークワイ(LOQUAI HOLZKUNST)社が発足したのは1934年、ドイツのエルツ山地(Erzgebirge)のケムニッツ(Chemnitz)工業地帯に近いアウグストゥスブルグ(Augustusburg)という街でした。創業者の ルドルフ・アルウエッド・ロークワイ(Rudolf Arwed Loquai )は、当時、画家、デザイナー、そして彫刻家を自身の職種として登録しています。1958年にその拠点を現在地のぺットメス(Poettmes)に定めるまでに、ロークワイ社は第二次世界大戦をはさみ、何度か工場を移転する運命を辿ります。しかしその間、エルツ地方の玩具作りを原点にし、一貫して創設者の理念と、ドイツの物づくりや職人の誇りを守り続けてきた、ドイツ玩具業界のなかでは指折りの老舗です。すべての製品は様々な種類の選ばれた木材で作られています。

20種類の上質の木材を使用し、工場には300枚の材木を常備し、得意のミニチュアだけでなく、大きいノアの方舟セットや農場セット、木箱入りの積木作りなど、幼稚園などをターゲットにした物作りも行っています。ロークワイ社は又玩具だけでなく木箱の製作にも力を入れています。木箱にも玩具と同じように様々な木材が使われ、贈り物に付加価値をつける上質のパッケージとして、他業界からの需要にも応えています。2代目のアンドレアス氏 (Andreas Loquai) はまだ毎日工房で若い人達をサポートし現役として活躍中。ドイツの職人の技能や精神が衰退してゆく傾向がみえる昨今、ロークワイ社はドイツの木製玩具業界の中で、自他共に認める貴重な存在となっています。



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1 ペットメスの社屋 右手前の建物は、3代目アルウェッド夫妻の玩具店
2 創業者ルドルフ・アルウエッド・ロークワイ氏
3 2代目アンドレアス・ロークワイ氏
4 3代目ホルスト・ロークワイHorst Loquai氏
5 3代目アルウエッド・ロークワイArwed Loquai氏







ロークワイ社の歴史

1934年

ドイツ・エルツ山地のケムニッツ工業地帯に近い小さな街アウグストスブルグ (Augustusburg)で創業。創業者の ルドルフ・アルウエッド・ロークワイ(Rudolf Arwed Loquai )は、画家、デザイナー、そして彫刻家だった。当初のロークワイ社はエルツ地方の玩具メーカーのための、カタログや木製の看板、道標、会社のロゴなどのデザイン制作会社として重宝される存在だった。

 

1936年

ドイツの各地から注文を集め、若い実業家としては第一人者といわれるほどの成功を収める。また会社の隣地や家具製作所の買収など事業の拡張も順調だった。急激な会社の発展にともない工房は近代化がすすみ、最新の工具や製作機械が導入され、それに加え小さいミニチュアのろくろ生産工房や木工所へのパーツの外注も増える。

1940年

ルドルフが兵役に服す。

1943年

第二次世界大戦の影響をうけ会社は閉鎖に。建物は押収され、倉庫となり、空襲で焼け出された市民の避難所となる。築き上げた事業の一切を失い、いつか再びこの事業を復活させる日がくるとは誰も考えらない程の打撃を受けた。全てを失った若き創業者が持ち出せたのは、彼の経営能力と知識そして熟練した腕が持つ、すぐれた生産技術だけだった。

1945年

5月8日にドイツは降伏。クールランドポケットという当時の有名な戦闘で、ルドルフは、現在のラトビア西部から輸送機で飛び立つ。飛び立った33機のうち無事に目的地に到着したのは、ルドルフが乗っていた1機を含む3機だけだったという。第二次世界大戦の終結を迎え、ルドルフはイギリスの捕虜となるが、間もなく彼の母親の故郷であるチェコとの国境近くオーバーファルツ(Oberpfalz)地方で釈放される。

1946年

オーバーファルツ地方のヴェルブルグ(Velburg)で再び木工所を設立。ろくろ作業や木彫、それにクリスマスの飾りなどを作りはじめる。当初、機械は廃品を利用していた。1947年には20人、1948年にはすでに55人が働く会社に育てあげたルドルフ。生産業に加え小売業、卸業、輸出入と事業の幅は広がっていった。

1950年

1月26日、火災が発生し、建物のほとんどが消失。 会社はフランス占領地域に移設、企業家としての意欲満々の企業家ルドルフは、その後もドイツの中で、西のバードベルグザベルン(Bad Bergzabern)、南のインヒェンホーフェン(Inchenhofen)などを転々としながら、実績をあげていった。第一回のニュールンベルグ玩具見本市に出展。

1958年

50歳の誕生日の12月2日、ルドルフはついに現在のロークワイ社(Loquai)の所在地ペットメス(Poettmes)、当時農場だった場所に本拠地を構える。

1967年

11月18日 ルドルフ・アルウエッド・ロークワイ他界。享年58。
このときから、会社は 長男 アンドレアス(Andreas)、次男 アルブレヒト(Albrecht)、娘のクリスチーナ(Christina)の三人が引き継ぐことに。アンドレアスは商品開発、顧客管理、アルブレヒトは会社運営、生産の責任者、クリスチーナは生産、出荷、輸出などを受け持つ。
1960年から70年の10年間、商品アイテムも増え事業は拡大。建物の拡大、新しい製作機の購入など、絶え間ない資本の投入が必要だった。

1980年以降

1980年以降、ミニチュア、小さなプレゼント、お土産品の生産に加え、幼児の知育にも役立つ玩具の生産も増える。それに伴い木製の収納箱の生産量も増加。幼稚園や小売店で扱う玩具のためだけでなく、チョコレートなどの嗜好品の箱としての受注も多くなる。

1990年

アンドレアス氏の二人の息子、ホルスト(Horst)とアルウェッド(Arwed)が経営陣に加わった。

2009年

ニュールンベルグの玩具見本市で、アンドレアスは表彰される(下記、2代目 アンドレアス・ロークワイ氏のこと 参照)。



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1  アウグストゥスブルグの城
2  創業者の妻エヴァ(Eva)娘クリスチーナ(Christina)息子のアンドレアス(Andreas)、アルブレヒト(Albrechit)
3  需要に応じて開発したパッケージ用の木箱








LOQUAIのミニチュアシリーズについて

ロークワイ社が作るニチュア玩具は、一片が3mm以下の小さいパーツに至るまで、他の追随をゆるさない、行き届いた美しい仕上げで、手に取る人に感動を与えます。ロークワイ社がもっとも得意としてきたのは、高級木材(Edelholz)を使用し、素材の木材の色を生かしたミニチュア作りです。小さい4両連結の汽車や、木箱入りのパズルなど、素材の色を生かしたアイテムが、何年も作り続けられてきました。又、自社製の木箱に玩具などを入れて販売する一連のアイテムも、ロークワイ社が得意とする世界です。1992年にプログラムに加わった白い素地のカエデを使用した木箱入のミニチュアセットは、上品な色合いで彩色され、多くのファンを持っています。代表作の細長い木箱に入った『街』(Productの頁参照)はドイツの旧市街の雰囲気をシンプルで美しいデザインで再現した名作です。

エルツ山地の玩具界で戦前から特産物として生産されてきたマッチ箱入りのミニチュアを、ロークワイ社でも2000年から自社企画し生産しています。このマッチ箱シリーズは2代目 アンドレアス・ロークワイ氏の時代にアイテムも増え、ドイツ国内だけでなく輸出先の多くの国で成功をおさめました。手作りにも関わらず材料費や運搬費がかからないため、リーズナブルな価格で提供できること、小さいにも関わらず作りや色が美しいことで需要も増え、ロークワイ社の中でも特に人気のあるシリーズに成長しました(Productの頁参照)。



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1 マッチ箱シリーズ ディスプレイ台におさめたところ
2 マッチ箱入 ミニブロック



◎マッチ箱シリーズ
マッチ箱入りのミニチュアを初めて商品化したのはザイフェン村(Seiffen)のハインリッヒ・エミール・ランガー(Heinrich Emil Langer 1871-1949)。中に入れるミニチュアのテーマは風俗・宗教・職業などさまざまでした。その後、多くの職人がマッチ箱にいれるミニチュアを作り始めます。ロークワイ社も、その流れの中でゲームやモザイク、家やお城をテーマにしたものなど、様々なマッチ箱入りのアイテムを開発しています。













 
2代目 アンドレアス・ロークワイ氏のこと


2009年2月、ロークワイ社2代目社長のアンドレアス・ロークワイ氏は、ニュールンベルグ玩具見本市で1950年の第一回から2009年まで60年間、毎年出展、一度も休む事なく毎年スタンドに立った唯一の人物として表彰されました(60年の間毎年出展し続けてきた企業は44社ありますが、毎年スタンドに立ち続けてきたのはアンドレアス・ロークワイ氏のみ)。第1回玩具見本市に出展したのはわずか 351社。60年を経た2010年にはその出展社数も2,700社に増え立派な建物が立ち並ぶ広大なメッセ会場には世界中のバイヤーが訪れます。毎年2月に開催される名実ともに世界最大の玩具見本市です。先代のルドルフが出展した1950年の第一回玩具見本市に、既に社の一員としてスタンドに立った息子のアンドレアスは、以後60年に亘り、見本市の歴史と玩具業界の流れをずっと見続けてきた、玩具業界における貴重な人物なのです。


アンドレアス・ロークワイ氏は1999年に日本を訪れています。彼が情熱的に関わって来た趣味は鉄道で世界各国を旅行する事。当時シベリア鉄道で、ウラジオストクを経て日本へ。そして日本の北から南まで鉄道の旅を一人で楽しみました。すでに40カ国以上を汽車で旅したアンドレアス氏は、日本の鉄道のシステムは他のどの国にもない素晴らしいものだと、その時刻表に正確な運行能力と清潔さと旅客の優しさに感動したといつも話しています。
アンドレアスにはもう一つの特技があります。固い高級木材を駆使してつくる装飾品や燭台の制作です。木工技術と工房にある豊富な木材を駆使し、1点ものの作品を制作することを楽しんでいます。1000年以上もその質と美しさを保ち続ける木への敬意が彼の創作意欲をかき立てるそうです。


◎アンドレアスの言葉から
・生粋のエルツ山地人なので、故郷の伝統をできるだけ長くしっかりと守り続けたい。
・私達は保守的なのではなく古風なのだ。古風であることを誇りにしているのだ。
・まず最初に相手を信用することで取引ははじまる。口約束だけで充分な取引先を沢山持つ事を大切にしている。
・伝統を守るだけではなく時代のニーズに合った商品開発も大切。押し花機、標識、誕生日列車、汽車の色々を世に送り出してきた。
・一番売れているアイテムは、ミカドなどのゲーム関係。



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1 見本市のブースに立つアンドレアス・ロークァイ氏 2009年
2 2009年 ニュールンベルグ玩具見本市で受け取った表彰
3 アンドレアス・ロークワイ氏の作品 木製のオブジェ 高さ43cm
4 1980年から生産しているアイテム 駅員の人形 高さ60cm












 
ロークワイ社からのメッセージ


玩具が子どもにとってどんな意味を持つのか、玩具の本来のあり方は、など、フレーベルを初め多く教育者によって語り継がれてきました。ロークワイ社の玩具は、従来知られている教育的視点にたつ玩具本来の役目を全うしており、遊ぶ子どもたちの想像力を刺激し、遊びの中で体験する新しい発見を通して子どもたちの考える力を育てます。またEN71の安全基準をクリアしています。
ミニチュアシリーズは、それを手にする人が、ほっとした暖かい優しい気持になってくれる事を期待しながら心をこめて製作しています。
一貫してアイテムに適した素材選びにこだわり、厳しい品質チェックのもと、どの素材を使用するかを決定します。小さなパーツに至るまで、手を抜かず心をこめて製作し、製作に携わる一人ひとりが自社の製品を愛し誇りにして、世に送り出しています。
木製のパッケージ(木箱)の製作では、多種の木材を使い分け、中に入れるものに適した、そして箱に入れることで、贈ることがより楽しくなるような箱作りをいつも目指しています。

*右は社屋の壁を飾るレリーフ(エルツ山地のシンボルである"天使と鉱夫")の前に立つ2代目と3代目






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