BECK  

Christof Beck Spielwaren/ベック社
ドイツ

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 ・ベック社のはじまり  

 ・ベック社の歴史  

 ・ベック社工房風景  

 ・ベック社の玉の塔とニキティキ 

 ・ベック社玩具の音と動き 

 ・ベック社製品の紹介 




ベック社のはじまり


現在ベック社があるヒュルベン(Huelben)は、ドイツ南西部に位置するバーデン・ヴュルテンベルク州(Baden Wuerttemberg)にあります。シュトゥットガルト(Stuttgart )市を中心としたこの州はドイツの自動車産業など、工業のメッカとして知られていますが、数多くの玩具メーカーがある地域としても名高く、鉄道模型のメルクリン社、ぬいぐるみのシュタイフ社等ドイツの代表的なメーカーに加え、優れた木製玩具メーカーの多くが、良質のブナ材がとれるこの地で仕事を拡げていきました。ニキティキの主要取引先メーカーであるデュシマ社やケラー社もそのひとつです。
ベック社の創設者クリストフ・ベック(Christof Beck 1914-2001)氏は、このバーデン・ヴュルテンベルク州の中心部、温泉のある保養地として古くから栄えるシュヴェービッシェ・アルプ(Schwaebische Alb)地方で生まれ育ち、もともとは機械技師のマイスターでした。戦時中、ロシアで捕虜となっていた頃に、戦災孤児のために休み時間を利用して木製のおもちゃを作り始めたのが、ベック氏の玩具製作の始まりです。彼のシンプルで品質の優れたそのおもちゃは周りの人達の好評を得て多くの人が求めるようになり、またベック夫人の協力もとても大きな支えもあって、戦後の厳しい時代でしたが1946年にはヒュルベンに小さな木製玩具工房を建てるまでになりました。次第にベック社製品はドイツの幼稚園や施設の子ども達の手に渡るようになり、ベック氏の努力で会社は順調に成長、生産するアイテムも増え続けました。しかし出発当時のアイテムは、とても手間のかかる工程で作られていたため、その多くは現在のベック社のプログラムには残っていません。例えば小さな裁縫箱(写真-5)や、折りたたみいす、人形用うば車などです。その後彼はおもちゃに改良を加え、(例えば、盤上ゲームに携帯用の収納箱を取り付けたりなど)さらに交通標識や野菜など新しいアイテムを加えていきました。
当初より、クリストフ・ベック氏は、おもちゃは精密で堅牢に作られるべきと考えていました。彼がこの基本原則に基いた質の高い玩具を堅実に生産し続けたことによって会社は徐々に成長し商品を増やしていきます。やがてその多くはドイツの「子供の遊びと玩具審議会」によりspiel gut*に選ばれ、BECKの名は業界に認められ広く知られるようになったのです。1984年、娘のドリスさんとその夫、ケッヒェレ(Kaechele)氏が2代目として経営を引継ぎましたが、創始者のベック氏は社の経営を譲ったあとも、厳しい基準に基づいた製品のチェックを自ら行なう作業を引き受け、会社を支え続けました。2001年からベック社は3代目、クリストフ・ベック氏の孫で、ケッヒェレ夫妻の姪にあたるフェレーナ・ベンナー(Verena Benner)さんとその家族により運営されています。年金生活に入った二代目のケッヒェレ夫妻も孫たちの面倒を見るかたわら、生産のアドバイザーとして若い世代の応援を続けています。現在のヒュルベンにある工場は創設から10年を経た1956年に建てられたものです。

spiel gutはドイツの「子供の遊びと玩具審議会」が良い玩具として推奨するものだけに貼ることを許可したマーク。尚、ニキティキの扱う乳児及び幼児向け玩具のほとんどは、この審議会の推奨を受けていますが、現地でシールを商品に添付するか否かはメーカーの判断に任されています。メーカーが商品にシールを添付したいときは、審議会から有料でシールを求めなければなりません。審議会はその収益を運営費の一部としています。




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1  Christof Beck氏
2  Beck社
3  2代目Kaechele夫妻
4  現社長 Verena Benner氏
5  創業当初の玩具

ベック社の歴史

1946年

機械技師のマイスターであったクリストフ・ベック氏が妻とともに、終戦後生計を得るため、木製玩具の製作会社をヒュルベン(Huelben)で立ち上げる。

1956年

ヒュルベンに新工場を建設。

1966年

この年、「子どもの遊びと玩具の審議会」によって「spiel gut」に選定される。その後現在まで、80に及ぶアイテムが選ばれている。

1970年

ニュールンベルグの国際玩具見本市にはじめて出展。現在に至る。

1981年

フランクフルトでの春季・秋季メッセに出展。(〜1990年)

1983年

フランクフルトの国際秋季メッセの特別展でトレインカースロープなどが「Form」賞を受賞。
1983年受賞作:
たい肥運搬車(Dungschleuder) no.10007 (写真-1)  トラクター(Traktor lenkbar)no.10004 (写真-2)
トレインカースロープ(Laufbahn) no.20005+20007

1984年

フランクフルトの国際メッセでスロープ人形 (Nurmi) no.20040 (写真-3) が「Form」賞を受賞。
2代目のケッヒェレ夫妻が会社の経営を引き受ける。

1987年

フランクフルトの国際メッセで、トラクターとほし草運搬車 (Traktor mit Heuwender) no.10009 (写真-4)、洗車場 (Waschanlage) No.30003 (写真-5)が「Form」賞を受賞。

1992年

3月27日、バーデン・ヴュルテンベルク州の経済に貢献したとして、経済勲章を受章(写真-6)

2001年

ケッヒェレ夫人の姪、創始者の孫フェレーナ・ベンナー氏が3代目として会社を引き継ぐ。ケッヒェレ夫妻の子ども二人は、会社を引き継がずに他の業種にすすんだ。

2006年

創立60周年を迎える。
現在ベック社の玩具は、ニュールンベルグの国際玩具見本市で展示され日本以外では、韓国、アメリカ、イギリス、スイス、オーストリア、フランス、イタリア、スペイン、スウェーデン、フィンランド、ノルウェイ、オランダ、ベルギーに輸出されている。





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1. たい肥運搬車 (Dungschleuder) no.10007
2. トラクター (Traktor lenkbar) no.10004
3. スロープ人形 (Nurmi) no.20040 (初期のタイプ。現行品とは仕様が異なる)
4. トラクターとほし草運搬車 (Traktor mit Heuwender) no.10009
5. 洗車場 (Waschanlage) no.30003
6. バーデン・ヴュルテンベルク州経済勲章の受章式
7. 経済勲章を受章するクリストフ・ベック氏(写真 右)

ベック社工房の風景





ベック社の玉の塔(Kugelbahn)とニキティキ


ベック社の玩具には、上から玉や人形が落下することを取り入れた玩具が多い。現在では市場に沢山の同じ発想の玩具が溢れているが、この形で上から玉を落とす玩具を工業製品として作ったのはクリストフ・ベック氏が誰よりも早かった。1958年にその原型を世に出したベック氏は、それに満足せず色々な改良を加えてゆく。改良を加え現在の形になったのは1964年。5枚の鍵盤がついた現在の Kugelbahn は、現在は世に溢れる多種多様の玉の塔の原点と言える。ニキティキとこの Kugelbahn との出会いは、実はベック社との出会いよりも早かった。
ニキティキの1971年の出発当時、7つのメーカーを選んだが、ドイツの木製玩具の重鎮の一つであったケラー社も含まれていた。ケラー社は、1978年ベック社の Kugelbahn を自社のプログラムに取り入れ(当時のケラー社のカタログにこの Kugelbahn が加わっている)、そのケラー社を通してニキティキでもプログラムに加えることになった。はじめ、ケラーの商品として日本市場に出現したこのアイテムは、瞬く間に人気商品となり、日本の子ども達の手にどんどん渡っていった。そして3年後の1981年、ベック社とニキティキとの直接取引がはじまった。

ネーミングの失敗:
1978年、この玉の塔を初めて世に出すとき、《鉄琴付玉の塔》では響きがつまらないので、《シロフォン付玉の塔》と名付けました。シロフォンとは木琴の事なのに、その響きが可愛いので余り深く考えずにシロフォン付としたことを反省しています。このシロフォン付玉の塔は毎年ニキティキの売り上げ商品のベスト10に入る人気商品となり、発売後、かなりのスピードで多くの子どもの手に渡っていきました。思いがけない普及振りだったので途中での商品名の変更も不可能な状況でした。ニキティキでは、この失敗を教訓にして、新商品発売時のネーミングの大切さを考えています。


〈Kugelbahnの変遷〉

1958年頃 

1960年頃

1965年

1999年〜現行品日本仕様

現行品欧州仕様

・玉の塔で遊んでいるのは、クリストフ・ベック氏の末娘 Annegretさん
・欧州仕様は最上段からレールに玉を転がすが、日本仕様はさらに上部の穴に玉を入れるという遊びが加わっている。




ベック社には、 Kugelbahn のほかにも、玉や人形や汽車が下へ落ちてゆく様子を目で追いながら楽しむ玩具は多い。
思いがけない動きや期待通りの結果が楽しくて、子どもたちはくり返しくり返し遊ぶ。動きはもちろん、軽快なリズムや音も、人気の理由といえるだろう。ヨーロッパにはこの種のおもちゃがたくさんあるが、ニキティキが扱っているベック社のアイテムは次の通り。
・年代はメーカー生産開始年 ・年代が赤字のものは現在は生産されていません。
 →productのページにさらに詳しく紹介。

ニキティキを通して日本市場に出たBECK社の動きを楽しむ玩具

1958年-

1973-89年

1979年-

1982年-

1983年

1983年-

1986年-

1986年-

2006年-




〈参考:その他の玉の塔〉
・無印の年代はメーカー生産開始年 ・nt年代はニキティキが取扱をはじめた年 ・年代が赤字のものは現在は生産されていません。

2007年現在ニキティキが扱っている他社の玉の塔

1960年代-

1974年-

1985年-

1989年-nt

1996年-nt

1996-nt

1996年-nt

2006-nt

.ALBISBRUNN

.AHORN

.CUBORO

.DUSYMA

.NIC

.SCHOELLNER

.HILPAG

.NIC


ニキティキが扱ってきた他社の玉の塔 生産中止のため現在は扱っていない

1971年 1973年 1977年 1970年代 1975年 1976年 1989年 1997年
.PROFUOND .KELLER .PAX .SPIELFORM .NAEF .NAEF .NYFELER .NAEF






ベック社玩具の音と動き
ク社訪問記?

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