ベック社の玩具には、上から玉や人形が落下することを取り入れた玩具が多い。現在では市場に沢山の同じ発想の玩具が溢れているが、この形で上から玉を落とす玩具を工業製品として作ったのはクリストフ・ベック氏が誰よりも早かった。1958年にその原型を世に出したベック氏は、それに満足せず色々な改良を加えてゆく。改良を加え現在の形になったのは1964年。5枚の鍵盤がついた現在の Kugelbahn は、現在は世に溢れる多種多様の玉の塔の原点と言える。ニキティキとこの Kugelbahn との出会いは、実はベック社との出会いよりも早かった。
ニキティキの1971年の出発当時、7つのメーカーを選んだが、ドイツの木製玩具の重鎮の一つであったケラー社も含まれていた。ケラー社は、1978年ベック社の Kugelbahn を自社のプログラムに取り入れ(当時のケラー社のカタログにこの Kugelbahn が加わっている)、そのケラー社を通してニキティキでもプログラムに加えることになった。はじめ、ケラーの商品として日本市場に出現したこのアイテムは、瞬く間に人気商品となり、日本の子ども達の手にどんどん渡っていった。そして3年後の1981年、ベック社とニキティキとの直接取引がはじまった。
ネーミングの失敗:
1978年、この玉の塔を初めて世に出すとき、《鉄琴付玉の塔》では響きがつまらないので、《シロフォン付玉の塔》と名付けました。シロフォンとは木琴の事なのに、その響きが可愛いので余り深く考えずにシロフォン付としたことを反省しています。このシロフォン付玉の塔は毎年ニキティキの売り上げ商品のベスト10に入る人気商品となり、発売後、かなりのスピードで多くの子どもの手に渡っていきました。思いがけない普及振りだったので途中での商品名の変更も不可能な状況でした。ニキティキでは、この失敗を教訓にして、新商品発売時のネーミングの大切さを考えています。
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〈Kugelbahnの変遷〉
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1958年頃
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1960年頃
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1965年
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1999年〜現行品日本仕様
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現行品欧州仕様
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・玉の塔で遊んでいるのは、クリストフ・ベック氏の末娘 Annegretさん
・欧州仕様は最上段からレールに玉を転がすが、日本仕様はさらに上部の穴に玉を入れるという遊びが加わっている。
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ベック社には、 Kugelbahn のほかにも、玉や人形や汽車が下へ落ちてゆく様子を目で追いながら楽しむ玩具は多い。
思いがけない動きや期待通りの結果が楽しくて、子どもたちはくり返しくり返し遊ぶ。動きはもちろん、軽快なリズムや音も、人気の理由といえるだろう。ヨーロッパにはこの種のおもちゃがたくさんあるが、ニキティキが扱っているベック社のアイテムは次の通り。
・年代はメーカー生産開始年 ・年代が赤字のものは現在は生産されていません。
→productのページにさらに詳しく紹介。
ニキティキを通して日本市場に出たBECK社の動きを楽しむ玩具
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1958年-
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1973-89年
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1979年-
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1982年-
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1983年
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1983年-
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1986年-
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1986年-
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2006年-
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〈参考:その他の玉の塔〉
・無印の年代はメーカー生産開始年 ・nt年代はニキティキが取扱をはじめた年 ・年代が赤字のものは現在は生産されていません。
2007年現在ニキティキが扱っている他社の玉の塔
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1960年代-
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1974年-
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1985年-
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1989年-nt
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1996年-nt
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1996-nt
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1996年-nt
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2006-nt
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.ALBISBRUNN
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.AHORN
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.CUBORO
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.DUSYMA
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.NIC
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.SCHOELLNER
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.HILPAG
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.NIC
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ニキティキが扱ってきた他社の玉の塔 生産中止のため現在は扱っていない
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1971年 |
1973年 |
1977年 |
1970年代 |
1975年 |
1976年 |
1989年 |
1997年 |
.PROFUOND |
.KELLER |
.PAX |
.SPIELFORM |
.NAEF |
.NAEF |
.NYFELER |
.NAEF |