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CUBORO/キュボロ社
スイス

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 ・キュボロ社とは 

 ・キュボロ社の歴史

 ・エッター氏とcuboro 

 ・cuboroの遊びかた 

 ・金の木馬賞について 

 ・キュボロ公認販売店について 

 ・キュボロ社製品の紹介







キュボロ社とは

1970年代、心身に障害のある子どもたちと関わるソーシャルワーカーのトレーニングを受けたエッタ-氏が障害児の仕事を始めてまず最初に取り組んだのは楽器の開発でした。楽器に特別な持ち手をつけたり、体格や体型にあわせてサイズを変更したり、イマジネーションを刺激するような特殊な音の出る楽器などを考案することにエッタ-氏は情熱を持ってかかわりました。
そのうち彼は楽器に加えパズルの制作を試みるようになります。子どもたちの能力に応じてカッティングの形を変えるなどの工夫をしましたが、やがてそのパズルにゲーム性を持たせることにも彼は意義を見出したのです。刺激のあるゲーム性を持ったパズルの制作が彼の次の課題となりました。cuboroの原型ともいえる遊びもそんな中から生まれたゲームのひとつでした。
単純な立方体に溝や穴を彫り、それらを組み合わせ、ビー玉をころがし、反対側からビー玉が出てきたら成功、ゲーム終了!という遊び。これが試行錯誤の末、また子どもたちと実際に遊ぶ中で進化して後にcuboroとなったのです。

2児の父親でもあるエッター氏はキュボロ社の代表として企画・経営、新商品開発に携わると同時に家庭人としての責務をこなしながら音楽活動(フォークロックバンド・ONTARIO)も行っていました。 商品の企画全般はスイス・キュボロ社、生産はスイス・ニーフェラー(Nyfeler)社という協力関係はキュボロ社の発足当時から変りません。ネフ社のラビーリンスの溝を見事に削りだす仕事を請け負っているニーフェラー社の高度な技術は、キュボロ社の製品の生産にも余すことなく発揮されています。

追記2023.07
2020年にマティアス・エッター氏の息子のセバスチアン氏が会社を引き継ぎました。マティアス・エッタ-氏は、二代目をサポートしながら、好きな音楽活動をさらに深化させ、バイオリン奏者としてPanaccusticumというユニットで活動しているとのことです。

● キュボロ社のホームページはコチラ→http://www.cuboro.ch/





キュボロ社の歴史

1954年

マティアス・エッター(Matthias Etter)氏 スイス・ローマンスホルン(Romanshorn)で誕生。ベルン(Bern)近郊で育つ。機械工の修行を終えた後 ソーシャルワーカーのトレーニングを受け、心身に障害のある子どもたちとの関わりが始まる。

1982年

エッター氏 イタリア・トスカーナ地方に移り住み、バーバラ・ヘッグリン(Barbara Hegglin)と結婚。

1985年

cuboro(当初は konstrito と呼ばれていた。)の商品化にこぎつける。
商品の生産は高い技術をもつニーフェラー(Nyfeler)社(写真-2,3)が受け持った。

1986年

商品名を konstrito から cuboro に変更。パテントを取得。
初めてスイス、ベルン市の見本市(ORNARIS)に出展。コンプリメンティデザイナー賞(写真-4)を受賞。

1987
~93年

主にスイスとドイツの各種見本市に出展、メディアの取材も多く、徐々に知名度をあげた。

1994年

ニュールンベルグの見本市会場に、初めて単独のスタンドを持つ。

1996年

ドイツのビーレン(Wieren)に商品倉庫を開設。出荷業務もこの倉庫で行なうことになる。
第1回、cuboroの組み立てコンクールを開催。

1997年

個人企業からキュボロ株式会社(cuboro AG Schweiz)の設立へ。

1998年

USAでのパテントを取得。

1999年

エッター氏 再びスイスに戻る。
新たな商品のパテント取得。

2000年

第5回、cuboroの組み立てコンクールを開催。

2001年

本社と事務局をスイスの ハスリィベルグ ロイティ(Hasliberg Reuti)に移す。
cuboroの遊び方の解説書として小冊子 cuboro-1を出版、販売する。

2004年

10月に正式に国際機関 森林管理協議会よりcuboroの素材に対しFSC森林認証*を受ける。(追記:〜2017年まで)
金の木馬賞を受賞。

*FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)は1993年、世界自然保護基金などの環境団体や林業者、木材取引企業、先住民団体などによって作られた非営利の国際団体。FSCの森林認証は、「環境保全の点から見て適切で、社会的な利益にかない、経済的にも持続可能な森林管理」を推進することを目的としている。認証された森林から出された木材・木材製品にはFSCのロゴマークを付け、消費者は、国際的に合意された原則と規準に従って管理されている森林から生産されたものであることを確認できると同時に、世界の森林保全へ貢献することができる。

追記-2

2005年

cuboroの入門セット、クゴリーノシリーズを開発。その後もクゴリーノポップやクゴリーノヒットなど、意外なアトラクションを加えるパーツセットなどへ展開している(productページ参照)。

追記-4

2013年

cuboro トリッキーウェイを発表。 cuboro の仕組みをボードゲームに落とし込んだ画期的なゲーム(Johannes Guischard 発案)。 翌、2014年にはトリッキーウェイfasal を、新レーベル「EDITION cuboro」のもとに発表。cuboro トリッキーウェイの普及版として開発。エコロジー素材「 Fasal 」を使用。

2018年

2018年よりcuboro社は生産に使用する木材を、FSC認証の木材から、別のスイス産の木材に切り替えました。それまでと同様に、スイス木工業組合(Lignum)の基準に準じ、環境に配慮し計画的 な管理を行っている森林で育成された木々の木材を使用しています。品質に変わりはありません。

追記-6

2020年

マティアス・エッター氏の息子のセバスチアン・エッター(Sebastian Etter)氏が会社を引き継ぐ。(写真-1)

2021年

二代目、セバスチアン氏がキュボロの商品プログラムを一新し、パッケージやメーカーロゴもリニューアル。パーツのサイズや材質、遊び方に変わりはありません。



1
1 2 3 4
       
1.  マティアス・エッター(Matthias Etter・左)氏とセバスチアン・エッター(Sebastian Etter・右)氏 © CUBORO 2020
2.3.
ニーフェラー(Nyfeler)社
4.  ベルン市の見本市(ORNARIS)コンプリメンティデザイナー賞






エッター氏とcuboro

●エッター氏にとっての遊びの意義
幼いころから「ありきたり」を好まず、自分で工夫をしたり発見することの好きだったエッター氏は兄が鉄道模型で遊んでいるのを見ると、それなら僕は-、と手元にある工作用紙や棒切れ、古いレコード、絹糸、針金、などなど、身の回りのあらゆる材料を使って飛行場を作ってしまうような男の子だった。
「遊ぶ」ことは「実験する」、「探す」、「見つける」、そして「発明する」と同じ仲間だとエッター氏は言う。そこには 主体性と自由に行動できる余地、つまり自主決定が不可欠だとの信念を彼は持つ。

エッター氏は「おもちゃを媒介とした遊び」についての考えを、あくまでも個人的見解とした上で、次のように書いている。

「子どもにとって 遊び はこの世でもっとも自然なこと、基本的な欲求です。
それは直感、模倣、動画化、創造などを媒介とする人生経験の始まりを意味します。
そして遊びは年齢に関係はなく、すべての人にとって決して終わることがない探求といえます。
遊びたいという欲求は、そのとき手にする媒体でより強く触発されます。
そして豊かな遊びはその子どもの人間形成のよりよい基盤となります。

遊びを通して人はさまざまなことを発見します。
例えば、能力、もの、ものとものの関係・つながり、ほかの生き物への社会的・感情的つながりなどです。大人になっても発見することが次々と出てくることがその何よりの証拠です。

遊びが子どもの成長とともに真剣な行為や機能に発展していく例はたくさんあります。
工具、楽器、乗り物などほかの道具がおもちゃになることもありますが、遊びの根底に経験、緊張感、面白さ、喜び、競争、失望などさまざまな体験があることには変わりありません。
そして社会的なメディアの源泉として、遊びが生き続けているわけです。

遊びの定義は人それぞれちがいます。
人それぞれが自分の遊びの定義を見つけるのがいい。文化や伝統が異なるところでは、「遊び」の持つ意味もまた異なってくるのだからです。

そしてその「遊び」を深める遊具として cuboro の多面的な可能性を私は確信し、自信をもってその開発に全力を注ぎ、広めてきました。私の cuboro のさらなる可能性の追求は現在も続いています」



● cuboro について エッター氏は語る
「上手な組み合わせによって、機能的なシステムが出来上がることを理論ではなく手と頭で経験し学んでいくことがポイント。 私にとってアイディアを生みだす原動力となるのはインスピレーション、可能性への挑戦 、外部からの刺激 、問題の提示、話し合いの中から得たヒント等です」

● cuboro の製作でエッター氏が大切にしたことは以下の5点。
1.シンプルであること、
2.組み合わせられること、
3.幾何学的にバランスがとれていること、
4.技術的に製造が可能であること、
5.堅牢でいつまでも元の形がかわらないこと、

● cuboro 支持者の声
○年齢、能力による差はあるが、理論的思考力と実践力、過去の記憶を学習し模倣する力、3次元的考察力を育てる。
○視覚障害のある場合にはさらに触覚などを育てる。
○繰り返しの遊びの中で、達成感を味わえ、再び挑戦する意欲がわいてくる。
○遊びながら、その手触りの感触と素材の重量感を楽しめる。





© NUTS TOKYO 2004






cuboroの遊び方

一つずつのパーツが大きく地味なので、子どもはすぐには飛びついてこないが、一旦遊び始めるとほとんどの子どもは夢中になる。
最初はシンプルな組み合わせで。組み合わせのレベルがあがってゆくのは楽しく、パーツの構造を自分のものにし、それらをひとつずつ使いながら、一歩一歩進んでいくことによってもたらされる達成感は、玉が転がり出たときに一段と高まる。
ゴール地点から上へ順に組みたててゆくのがこつ。

各セットの部品内容によって遊びの幅も決まってくるので、商品化に当りパーツをバランスのよい組み合わせにすることに細心の注意が払われている。
cuboro の原点である スタンダードセット でも何百通りものパターンの組み合わせが可能。遊びこむうちに、各パーツの形が頭の中にインプットされ、いつの間にか自然に三次元の構成を工夫していることに気付く。対象年齢は4歳くらいから大人までとうたわれているが、cuboro を自分のものにして遊べるのは6歳くらいから。若い男性に人気があるのも cuboro の特徴。

まずスタンダードのセットで遊んでほしい。ベーシックセットはスタンダードセットと基本的には同じパーツの構成だが、各パーツの数が少なく、きっとすぐ物足りなくなると思われる。じっくり遊び充足感を味わうにはスタンダードセットくらいのパーツ数がやはり必要。
スタンダードセットには、入門書が添付されているので、まず、組み立て見本図を参考に5つの塔を順に作ってみて欲しい。塔が出来るたびに味わえる達成感、各パーツの個性や役割もすぐに頭に入ってくる。そして入門書にある5つの塔を全部クリアする頃には、自分だけの考えで、自分の塔を作るアイディアが湧いてきてもう説明書は必要がないと思えるはず。
なお、2001年に開発された別売りの冊子、遊び手引書 cuboro-1で全部のパーツを含む cuboro の全容が把握できる。この小冊子の出現で改めて多くの人が cuboro の面白さと魅力に気付き、それとともに cuboro はより広く普及したといわれている。

商品としての秀逸性、美しさ、作りの確かさ、また使用している木材にこだわっている点など環境保護の面も注目され、年齢を超えて楽しめる価値ある遊具として、また、一家の団欒の中で活躍できる遊具として、老人ホームや各施設の優れた遊具として、色々な場で今日まで紹介され、注目をあびてきた。

遊びこまれれた cuboro はとても美しい。









2

金の木馬賞(goldenes Schaukelpferd 2004)

ドイツの由緒ある新聞社より2004年のベスト玩具として金の木馬賞を受ける。
この賞は3年前からドイツの新聞社(Familie & Co)が玩具業界の優れたメーカーに授与しているもの。2004年の“アーティスト・建築士”部門で cuboro はこの名誉ある賞を受けた。以下はその受賞に関する現地のプレスの記事からの抜粋。

「今回 cuboro が特に評価されたのは、外からは見えない隠れた溝に玉を通すことができるという点です。三次元に考える力が養われるからです。 加えて、家族のみんなが一緒に遊べてしかもパーツを増やすことができるということも好評の原因でした。
いままでにもいくつかの賞を受けている cuboro ですが、今回の受賞によりcuboro が(スイスの玩具専門家、パストリーニ夫人のことばを借りて言うならば)「現代のクラシック玩具」であることが確認されたわけです。
簡単な塔から綿密に設計された複雑でしかも外観も美しい作品にいたるまで、遊ぶ人を虜にする cuboro の立方体パーツを組み合わせてできるコースは無限です。
子どもたちのどの発達段階にも適応でき、大人たちをも魅了する―それがcuboroです。」

●その他の cuboro の受賞
1986 Complimenti Designerpreis スイス
1995 SPIEL GUT ドイツ
2003 Major FUN Award USA







追記-5

キュボロ公認販売店 

一覧は以下をご覧下さい(画像クリックで拡大表示〈PDF形式〉します)。


基本データ

2004年 12月作成

追記ー2

2011年1月作成 

修正ー1

Productページ追加・修正

追記ー4

年表 2013年、2018年追加

追記ー5

キュボロ公認販売店について

追記ー6

年表 2020年、2023年追加

修正ー2

Productページ追加・修正









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